入籍日は、お二人の新しい門出を祝う大切な日。縁起の良い日を選びたいけれど、どう決めたらいいか迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、大安や天赦日といった縁起の良い日、避けるべき凶日の考え方を解説します。

結婚の入籍日 縁起と後悔しない決め方について

結婚の入籍日は、お二人にとって新しい生活の始まりを告げる大切な記念日です。この特別な日をいつにするか、多くの方が心を込めて考えます。中には、縁起を気にして「吉日を選びたい」と考える方もいれば、「二人にとって意味のある日にしたい」と願う方もいるでしょう。

入籍日を決める際には、六曜やその他の吉日といった縁起の良い日を選ぶ視点もあれば、お二人の記念日や語呂合わせ、新生活の準備といった実務的な側面も考慮することが大切です。しかし、たくさんの情報の中で、どのような基準で入籍日を選べば後悔しないのか、迷ってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、入籍日を選ぶ際の縁起に関する考え方から、夫婦の絆を深める記念日の選び方、そして役所の手続きなど現実的なポイントまで、幅広い視点から解説します。お二人にとって最高の入籍日を見つけるためのお手伝いができれば幸いです。

入籍日の縁起 六曜の考え方と吉凶を知る

結婚の入籍日を決める時、多くの方が「縁起」を気にします。特に日本の暦でよく知られている「六曜」は、日取りを考える上で参考にする方が多いものです。六曜は、その日の吉凶を示すもので、結婚のようなお祝い事には特に意識されることがあります。

六曜の種類と意味 入籍日との関係

六曜は、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類があり、それぞれに異なる意味が込められています。入籍日を決める際、これらの六曜がどのように関係してくるのか、それぞれの特徴を見ていきましょう。

大安 友引 先勝 先負 仏滅 赤口

入籍日として特に人気が高いのは「大安」ですが、他の六曜にもそれぞれ意味があります。二人の気持ちに合う日を選ぶことが大切です。

六曜 意味 入籍日としての評価
大安(たいあん) 「大いに安し」という意味で、何事も吉とされる一日です。 一日を通して何をするにも良いとされる、入籍に最も人気の高い吉日です。
友引(ともびき) 「友を引く」という意味で、勝負事では引き分け、慶事には良いとされます。 お祝い事には良い日とされます。ただし、午の刻(午前11時~午後1時頃)は凶とされています。
先勝(せんしょう/さきがち) 「先んずれば勝つ」という意味で、物事を急ぐと良いとされる日です。 午前中は吉、午後は凶とされます。午前中に入籍手続きを済ませたい場合に選ばれることがあります。
先負(せんぷ/さきまけ) 「先んずれば負ける」という意味で、物事を急がず、静かに過ごすのが良いとされる日です。 午前中は凶、午後は吉とされます。午後に入籍手続きをする場合に検討されることがあります。
仏滅(ぶつめつ) 「仏も滅する」という意味で、六曜の中で最も凶日とされます。 お祝い事には避けるべきとされることが多い日です。ただし、近年では「物事が一旦滅び、新たに始まる日」と前向きに捉える考え方もあります。
赤口(しゃっこう/しゃっく) 「赤」という字から火や刃物に注意が必要とされ、凶日とされます。 正午(午前11時~午後1時頃)のみ吉とされます。それ以外の時間は凶とされているため、入籍日としては避ける傾向があります。

六曜以外で入籍日におすすめの吉日と避けたい凶日

六曜以外にも、古くから伝わる暦注の中には、入籍日として特におすすめの吉日や、避けた方が良いとされる凶日があります。これらの日も、入籍日を決める際の参考にしてみてください。

天赦日 一粒万倍日 縁起の良い組み合わせ

一年の中でも特に縁起が良いとされる日があります。これらの日に入籍をすることで、二人の新しい生活がより良いものになることを願う方も多いものです。

天赦日(てんしゃび/てんしゃにち)
日本の暦の上で最上の吉日とされ、年に数回しかありません。この日は、すべての神様が天に昇り、天が万物の罪を許す日と言われ、新しいことを始めるのに特に良いとされています。

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
「一粒の籾(もみ)が万倍にも実る」という意味を持つ吉日です。この日に始めたことは、やがて大きく成長し、何倍にもなって返ってくると言われています。結婚のような新しい門出にはぴったりの日です。

縁起の良い組み合わせ
天赦日と一粒万倍日が重なる日は、さらに縁起が良いとされ、大変人気があります。このような特別な日に二人の記念日を迎えるのも素敵な選択です。

不成就日 寅の日 巳の日 縁起を気にするなら注意したい日

良い日がある一方で、入籍には注意が必要とされる日もあります。縁起を重視するなら、これらの日を避けることも考えてみてください。

不成就日(ふじょうじゅび)
「何事も成就しない」と伝えられる日です。結婚や開店など、新しいことを始めるのには向かないとされています。気になる方は、この日を避けて入籍日を選ぶと良いでしょう。

寅の日(とらのひ)
「虎は千里を行って千里を帰る」ということから、金運招来の吉日とされています。しかし、結婚においては「出戻り」を連想させるとして、避ける方もいます。特に金銭に関わることには良い日ですが、結婚の入籍日としては、二人の考え方によって判断が分かれる日です。

巳の日(みのひ)
芸術や財運を司る弁財天(べんざいてん)と縁が深い日とされ、金運には良い吉日です。しかし、結婚においては「身を固める」という意味合いから良いとする考えと、「巳(み)=実(み)が離れる」を連想し、別れにつながると懸念する考え方もあります。特に気になる場合は、避けることを検討しても良いかもしれません。

入籍日の決め方 縁起以外で重視したいポイント

入籍日を決める際、縁起の良い日を選ぶことはもちろん大切ですが、それだけが全てではありません。お二人にとって本当に意味のある日、忘れられない日を選ぶことも、これからの夫婦生活を豊かにする大切な要素です。ここでは、縁起以外の視点から入籍日を決めるポイントをご紹介します。

夫婦の記念日や語呂合わせで決める入籍日

お二人にとって特別な記念日を入籍日に選ぶのは、毎年その日を思い出し、喜びを分かち合う素敵な方法です。初めて出会った日、お付き合いを始めた日、プロポーズの日など、二人だけの思い出が詰まった日を選ぶことで、入籍日がより一層かけがえのないものになります。

イベントや新生活のスタートに合わせた入籍日

入籍日を、季節のイベントやお二人の新生活の節目に合わせるのも、記憶に残る良い方法です。クリスマスやバレンタインデー、七夕などのロマンチックなイベントの日を選ぶと、毎年そのイベントが来るたびに入籍した日のことを思い出せます。

また、新居への引っ越しや、転勤・転職などによる新しい生活のスタートに合わせて入籍日を設定すると、新しい門出をより一層印象深いものにしてくれます。生活環境の変化と同時に夫婦としての新しい一歩を踏み出すことで、気持ちも新たにスタートできるでしょう。

実務的な側面から考える入籍日 役所の手続きなど

入籍日を決める際には、役所での手続きのしやすさや、その後の生活に関わる実務的な側面も考慮に入れると安心です。婚姻届は土日祝日や夜間でも提出できますが、開庁時間中に提出する方が、万が一書類に不備があった際にその場で確認・修正できるメリットがあります。

また、入籍日を起点として、健康保険や年金、運転免許証、パスポートなど、氏名変更が必要な手続きが多数発生します。これらの手続きをスムーズに進めるためにも、ご自身のスケジュールや役所の開庁日などを考慮して入籍日を選ぶことが大切です。特に、扶養関係や各種手当、税金など、家計に関わる影響も考慮に入れると良いでしょう。

検討事項 詳細
役所の開庁時間 平日の日中であれば、その場で書類の不備を確認・修正できます。
土日祝日の提出 時間外窓口で提出可能ですが、不備があった場合の連絡・修正は翌開庁日になります。
手続きの集中 婚姻届提出後、氏名変更が必要な各種手続き(免許証、パスポート、銀行口座、保険など)が発生します。これらの手続きを行う期間も考慮しましょう。
繁忙期を避ける 3月や4月、年末年始など、役所が混み合う時期は手続きに時間がかかることがあります。

結婚の入籍日を後悔なく決める具体的なステップ

入籍日は、お二人の新しい生活の始まりを飾る大切な日です。後悔なく最高の入籍日を迎えるための具体的なステップをご紹介します。

二人の意見をすり合わせる入籍日の決め方

入籍日を決める上で一番大切なことは、お二人の意見をしっかりすり合わせることです。お互いの希望や価値観を知り、納得できる日を見つけましょう。

まずは、それぞれが「どんな日に入籍したいか」を話し合います。縁起の良い日が良いのか、二人の記念日が良いのか、あるいは仕事や生活の都合を優先したいのか、正直な気持ちを伝え合いましょう。

意見が分かれた場合は、お互いの希望に優先順位をつけたり、譲れる点と譲れない点を明確にしたりすると、妥協点が見つけやすくなります。例えば、一方が「大安が良い」と言い、もう一方が「プロポーズ記念日が良い」と言う場合、大安のプロポーズ記念日があれば一番ですが、なければどちらを優先するか、あるいは別の吉日を検討するなど、柔軟な姿勢で話し合うことが大切です。

両親や親族への相談は必要?

入籍日の決定は基本的に二人の問題ですが、両親や親族に相談することも選択肢の一つです。特に、縁起や伝統を重んじるご家庭の場合は、事前に相談することで、後々のトラブルを避け、円満な関係を築くことにつながります。

相談するメリットとしては、ご両親の安心感につながることや、思わぬアドバイスをもらえる可能性もあります。ただし、相談は「報告」ではなく「意見を聞く」という姿勢で行い、最終決定は二人で行うというスタンスを崩さないことが大切です。

もし相談しない場合でも、入籍日を決めた後には、報告を兼ねて連絡を入れると良いでしょう。その際、なぜその日に決めたのかを簡単に伝えることで、より理解を得やすくなります。

候補日をリストアップし最終決定するコツ

お二人の希望やご両親への相談を踏まえたら、いよいよ具体的な候補日をリストアップします。以下のステップで進めると、スムーズに決定できます。

希望条件の洗い出し

まずは、これまでに話し合った希望条件を書き出してみましょう。例えば、以下のような項目です。

  • 縁起の良い日(大安、天赦日、一粒万倍日など)
  • 二人の記念日(出会った日、付き合い始めた日、プロポーズの日など)
  • 語呂合わせの良い日
  • 季節やイベントに合わせた日(春、夏、クリスマスなど)
  • 仕事や引っ越しの都合が良い日
  • 避けておきたい日(仏滅、不成就日、仕事が忙しい日など)

カレンダーで候補日を絞り込む

洗い出した条件をもとに、カレンダーで具体的な日付をチェックします。六曜や吉日、凶日が一目でわかるカレンダーやアプリを活用すると便利です。複数の候補日をピックアップし、それぞれの日のメリット・デメリットを比較検討しましょう。

最終決定のポイント

いくつか候補日が絞れたら、最終的にどの日にするかを決めます。優先順位が高かった条件を満たしているか、二人ともが納得できるかを確認してください。役所の開庁時間や必要書類の準備期間なども考慮し、余裕を持ったスケジュールで決定することが大切です。

最終決定の際には、もう一度二人で「この日で本当に良いか」を話し合い、お互いの気持ちを確かめ合う時間を持つと、後悔のない入籍日を迎えられます。

入籍日を決める際のよくある疑問と注意点

入籍日を決める際には、縁起や記念日だけでなく、実務的な側面で疑問に感じたり、見落としがちな注意点もいくつかあります。スムーズに入籍を迎え、新しい生活を始めるためにも、よくある疑問とその解決策を知っておきましょう。

婚姻届の提出方法と時間外受付について

婚姻届は、お二人の本籍地、住所地、または一時滞在地いずれかの市区町村役場に提出します。記念日に入籍したいけれど、その日が役所の開庁時間外や休日だった場合でも、時間外窓口や夜間受付を利用して提出できます。

ただし、時間外受付の場合、その場で内容の確認は行われません。後日、役所の開庁時間内に担当者が内容を確認し、不備がなければ提出した日が受理日となります。もし不備があった場合は、訂正や再提出が必要になることがありますので、事前に記入漏れや必要書類の確認をしっかり行っておくと安心です。

提出の際には、以下のものを用意しましょう。

  • 婚姻届(証人2名の署名・押印があるもの)
  • 戸籍謄本または戸籍全部事項証明書(本籍地以外の役所に提出する場合)
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • 印鑑(届出人の旧姓の印鑑、シャチハタは不可)

入籍日と結婚式の日の関係

入籍日と結婚式の日を同じ日にするか、別々にするかは、お二人の考え方によってさまざまです。それぞれのメリットとデメリットを考慮して、お二人に合ったタイミングを選びましょう。

タイミング メリット デメリット
同じ日
  • 記念日が一つになり、覚えやすい
  • 結婚の実感がより高まる
  • 結婚式当日のスケジュールがタイトになる
  • 役所の手続きと結婚式の準備を同時に進める必要がある
別の日
  • 結婚式の準備に集中できる
  • 入籍と結婚式、それぞれの思い出をゆっくり楽しめる
  • 記念日が複数になり、覚えることが増える
  • 入籍と結婚式で気持ちの切り替えが必要になる

どちらの選択肢も、お二人にとって大切な日であることに変わりはありません。それぞれの良さを話し合い、納得のいく形で決めることが大切です。

引っ越しや新生活スタートとの兼ね合い

入籍は、お二人の関係だけでなく、生活面にもさまざまな変化をもたらします。特に引っ越しや新生活のスタートと入籍のタイミングを合わせるかどうかは、計画的に考えることがおすすめです。

入籍すると、住民票の変更や運転免許証、パスポート、銀行口座、クレジットカード、各種保険などの名義変更が必要になります。特に女性は姓が変わることが多いため、これらの手続きには時間と手間がかかることを知っておきましょう。

引っ越しと入籍を同じ時期に行うと、住所変更や各種手続きをまとめて進められるメリットがあります。一方で、新生活の準備と入籍の手続きが重なり、一時的に忙しくなるかもしれません。少し時期をずらして、一つずつ落ち着いて進める選択肢もあります。

新しい生活をスムーズに始めるためにも、入籍後の手続きリストを作成したり、引っ越しの時期と入籍のタイミングを前もって相談したりすることが、後悔のないスタートにつながります。

まとめ

入籍日は、お二人の新しい生活の始まりを彩る大切な日です。縁起の良い日を選ぶのも素敵なことですが、それ以上に二人が納得し、後々まで「この日でよかった」と心から思える日が一番です。夫婦の記念日や語呂合わせ、新生活のスタートなど、縁起以外の要素も考慮に入れて、二人でじっくり話し合い、最適な日を見つけてください。役所の手続きや親族への配慮も忘れずに。この日が、お二人の幸せな未来への第一歩となることを願っています。