結婚式のご祝儀、きちんと包みたいけれど、書き方に自信がない…そんなあなたのために、ここではご祝儀袋の選び方から表書き、中袋、お金のマナーをご紹介します。また、水引の種類や金額相場、旧字体・漢数字の書き方、連名や夫婦で出席する場合の書き方などを解説。さらに、袱紗の使い方や新札の必要性、受付での渡し方といったマナーも説明します。

ご祝儀袋の種類と選び方

結婚式に招待されたら、まず準備するものの1つがご祝儀です。ご祝儀を入れるご祝儀袋にも様々な種類があり、マナーを守って適切なものを選ぶ必要があります。ご祝儀袋選びに迷わないよう、種類や選び方、水引の種類や金額相場、袱紗の使い方まで詳しく解説します。

水引の種類と意味

ご祝儀袋を選ぶ際に最も重要なのが水引です。水引には様々な種類があり、結び方や色によって意味が異なります。結婚式では、結び切りとあわじ結びの2種類が主に使用されます。

水引の種類 意味 用途
結び切り 一度結ぶと簡単にほどけないことから、結婚のように一度きりのお祝い事に適しています。 結婚式、結婚祝い
あわじ結び 何度でも結び直せることから、繰り返しても良いお祝い事に適しています。 出産祝い、快気祝い、長寿祝い
蝶結び 何度でも結び直せることから、結婚以外の一般的なお祝い事に使用されます。 入学祝い、卒業祝い、新築祝い

水引の色は、金銀、赤白、金赤などが一般的です。紅白の水引は慶事に広く用いられます。

金額相場とご祝儀袋の格

ご祝儀の金額相場は、関係性や地域によって異なりますが、一般的には友人や同僚の場合は3万円、親族の場合は5万円~10万円が相場とされています。金額に合わせて、ご祝儀袋の格も選ぶ必要があります。

金額 ご祝儀袋の格 水引
2~3万円 中包み付きのシンプルなもの 結び切り
5~10万円 中包み付きで、水引が豪華なもの、または装飾が華やかなもの 結び切り
10万円以上 鶴亀などの豪華な水引飾りがついたもの 結び切り

袱紗の選び方と使い方

ご祝儀袋は、袱紗に包んで持参するのがマナーです。袱紗は、ご祝儀袋を汚れや傷から守るだけでなく、慶事における礼儀を示す意味もあります。袱紗の色は、慶事には暖色系(赤、オレンジ、ピンクなど)を選び、弔事には寒色系(紫、紺、緑など)を選びます。素材は、絹、縮緬、ポリエステルなどがあります。最近では、慶弔両用の紫色の袱紗も人気です。

袱紗の使い方を簡単に説明すると、まず、ご祝儀袋を袱紗の中央に置き、手前を上に折り返します。次に、奥側を上に折り返し、包みます。受付で渡す際は、袱紗からご祝儀袋を取り出し、表書きが見えるように両手で差し出します。

ご祝儀袋の表書き方

ご祝儀袋の表書きは、結婚をお祝いする気持ちを伝える大切な要素です。誤字や脱字がないよう、注意深く書くことが重要です。書き損じた場合は、新しいご祝儀袋を使いましょう。

金額の書き方

金額は、漢数字を用いて中央に縦書きします。漢数字は旧字体を使うのが正式ですが、略字でも問題ありません。ただし、一、二、三などの簡単な漢字ではなく、壱、弐、参、萬などを使用するのが一般的です。数字の頭に「金」または「御祝儀」と書き添えます。

旧字体と漢数字の書き方

金額 旧字体 略字
1万円 金壱萬円 金一万円
2万円 金弐萬円 金二万円
3万円 金参萬円 金三万円
5万円 金五萬円 金五万円
10万円 金拾萬円 金十万円

氏名の書き方

氏名は、金額の下にフルネームで書きます。楷書で丁寧に書くのが基本です。筆ペンまたは毛筆を使用し、濃い墨で書きます。インクの色は黒か濃い青が適切です。ボールペンやサインペンは避けましょう。

連名の場合の書き方

連名で贈る場合は、代表者を中心に右側に目上の人、左側に目下の人を書き、3名以上の場合は氏名を中央に寄せて、その下に住所を連記します。スペースが足りない場合は、別紙に氏名を書いて同封しても構いません。誰からのお祝い金か分かるように、全員の氏名と住所を記載することが大切です。

夫婦で出席する場合の書き方

夫婦で出席する場合は、夫の氏名のみをフルネームで書き、妻の氏名は書きません。これは、世帯としてご祝儀を贈るという意味が込められています。ただし、夫婦で別々の世帯としてご祝儀を贈る場合は、それぞれ別々の袋を用意し、それぞれの氏名をフルネームで書きます。

住所の書き方

住所は、氏名の左下に都道府県から番地まで省略せずに書きます。マンションやアパート名も忘れずに記入しましょう。住所は小さめに書くのがマナーです。地方自治体によっては、町名や番地が複雑な場合があります。

中袋の書き方

ご祝儀袋の中袋にも、表書きと同様に、正しい書き方があります。書き損じると失礼にあたるため、注意が必要です。中袋の書き方を金額、住所、氏名の順に詳しく解説します。

結婚祝いのお金のマナー

結婚祝いを贈る際、お金に関するマナーは特に重要です。失礼のないように、基本的なマナーをしっかり押さえておきましょう。ご祝儀袋に入れるお金の種類や新札の用意、ご祝儀の渡し方など、疑問に思う点も多いのではないでしょうか。ここでは、結婚祝いのお金に関するマナーを詳しく解説します。

ご祝儀袋に入れるお金の種類

ご祝儀袋に入れるお金は、新札を用意するのが一般的です。新札は、お祝いのために新しく準備したという気持ちを伝えることができます。もし新札を用意できない場合は、折り目のないきれいなお札を選び、失礼のないようにしましょう。ピン札は新札ではないため、避けた方が無難です。また、お札の向きを揃えて入れることも大切です。お札の肖像が上向きになるように入れ、金額が大きい順に重ねて入れましょう。

新札を用意するべきか

結婚祝いに新札を用意することは、祝いの気持ちをより強く表現できるため、推奨されています。新札は銀行の窓口やATMで両替することができます。ただし、新札を用意できなかった場合でも、折り目のないきれいなお札であれば問題ありません。新札にこだわるあまり、相手に気を遣わせてしまうことのないよう、状況に応じて柔軟に対応しましょう。祝いの気持ちが一番大切です。

ご祝儀の渡し方

ご祝儀は、袱紗に包んで渡すのが正式なマナーです。袱紗の色は、慶事には赤やオレンジ、紫などの明るい色が適しています。袱紗の使い方にも決まりがあり、受付で渡す際には、袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手の方に向けて両手で渡します。郵送する場合は、袱紗に包んだご祝儀袋をさらに祝儀袋用の封筒に入れて送ります。

シーン 渡し方 注意点
受付 袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手に向けて両手で渡す。 受付の方に名前を伝える。
挙式・披露宴前に新郎新婦に直接渡す場合 袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手に向けて両手で渡す。 事前に新郎新婦に伝えるのが望ましい。
郵送 袱紗に包んだご祝儀袋を祝儀袋用の封筒に入れて送る。 結婚式の1週間前までに届くように送る。

ご祝儀の金額は、相手との関係性や地域によって相場が異なります。一般的には、友人であれば3万円、兄弟姉妹や親族であれば5万円~10万円が相場とされています。また、偶数は割り切れることから縁起が悪いとされているため、奇数の金額を包むのが一般的です。ただし、2万円はペアを連想させることから、地域によっては許容される場合もあります。

よくある質問

結婚式のご祝儀に関するよくある質問をまとめました。

ご祝儀を郵送する場合の書き方

ご祝儀を郵送する場合は、表書きに「寿」または「御祝」と書き、住所と氏名は通常通り記入します。祝儀袋をふくさに包み、現金書留で送るのが適切です。また、結婚式の1週間前までに届くように手配しましょう。添え状を同封し、結婚を祝う気持ちと欠席の旨を伝えるのがマナーです。

受付で渡す際のマナー

受付では、ふくさから祝儀袋を取り出し、受付係に両手で渡します。この際、表書きが相手に見えるようにするのがポイントです。受付係に名前を伝え、祝辞を述べると好印象です。混雑している場合は、スムーズに受付を済ませられるよう、袱紗から祝儀袋を取り出す準備をしておきましょう。また、受付で会話をする際は、適切な音量を心がけましょう。

ご祝儀の金額を間違えてしまった場合

金額を間違えてしまった場合は、後日改めて正しい金額を贈るのがマナーです。お詫びの気持ちを込めて、手紙を添えて贈りましょう。また、新婚旅行後など、落ち着いた頃に改めてお祝いを贈るのも良いでしょう。

遠方の結婚式に招待された場合の交通費

遠方の結婚式に招待された場合、交通費は自己負担が原則です。ただし、新郎新婦から交通費や宿泊費の支給がある場合もあります。招待状に記載がない場合は、新郎新婦に直接確認するのが良いでしょう。また、遠方から出席してくれたゲストへのお車代やお心づけを用意する新郎新婦もいます。

二次会のご祝儀について

二次会のご祝儀は、会費制の場合がほとんどです。会費は招待状に記載されているため、事前に確認しておきましょう。また、会費とは別に、新郎新婦へのプレゼントを用意する人もいます。

まとめ

結婚式のご祝儀袋の書き方について、種類、選び方、表書き、中袋の書き方、そしてお金に関するマナーを紹介しました。水引の種類や金額相場、袱紗の使い方など、状況に合わせた適切な選択ができるようポイントを整理しました。特に、旧字体や漢数字の書き方、連名や夫婦で出席する場合など、迷いやすい点も具体例を交えて紹介しています。ご祝儀袋の書き方には様々なマナーがありますが、基本を押さえればスムーズに対応できます。この記事を参考に、失礼のないよう、新郎新婦へのお祝いの気持ちを丁寧に伝えましょう。